本日の一言 / 2026.09.16
見積書の「一式」をどう読むか
建設工事の見積書を開くと、数量の欄に「一式」と書かれた行が並ぶことがある。内訳が示されていないため、その金額が高いのか安いのか、外からは判断できない。
一式が悪いわけではない。仮設や諸経費のように、数量で割り切れない項目は一式でまとめるのが通例である。問題は、本来なら数量を出せる工事まで一式に丸めてある場合だ。たとえば内装仕上げが「内装工事 一式」とだけ書かれていれば、どの部屋に何を張る前提なのかが読み取れない。後から仕様を確認したときに「その範囲は含んでいない」と言われる余地が残る。
発注者として見るべきは、金額そのものより先に、一式の行がどこに使われているかである。躯体・仕上げ・設備の主要な部分に一式が並んでいるなら、内訳書の提出を求めたほうがよい。数量と単価が出た時点で、比較も交渉もできるようになる。
内訳を出してもらうことは、値切ることとは違う。何にいくらかかるのかを、発注者と施工者が同じ前提で共有するための作業である。