本日の一言 / 2026.09.30
相見積もりで、比べてはいけないもの
複数社から見積を取ったとき、つい合計金額の欄だけを見比べてしまう。だが金額の差は、必ずしも企業努力の差ではない。
まず確認すべきは、各社が同じものを見積もっているかどうかである。仕様書と図面が同一でも、そこに書かれていない部分の解釈は分かれる。仮設の規模、残土の処分先、近隣対応の範囲、竣工後の手直し期間。こうした前提が違えば、金額は当然違ってくる。安い見積が、実は含まれていない工事があるだけということは珍しくない。
次に見るのは、除外事項と別途工事の記載である。ここに何が書いてあるかで、契約後に追加が発生する範囲がほぼ決まる。「別途」が多い見積は、その時点では安く見える。
比較を成立させるには、条件を揃えるところから始める必要がある。同じ図面、同じ仕様、同じ工期、同じ前提条件。それを整えたうえで初めて、金額の差が意味を持つ。手間はかかるが、この工程を省いた比較は比較になっていない。